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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    X線100%透過性
    2011年04月28日 (木) | 編集 |
    ワンニャンの膀胱に出来る結石の成分は、リン酸アンモニウムマグネシウム(ストラバイト)かシュウ酸カルシウムがほとんどですが、まれに違う成分の石があります。
    その中でもケイ素系の結石は富士市北中部あたり(もっと言うと鷹岡付近)では特産物と言えるくらい多いです。当院でもここ6例の内3例はケイ素の石でした。

    ケイ素結石のやっかいな事は、純度が高いとX線に写らないことです。つまりX線を100%透過してしまうんです。混ざり物があると写りますが。
    ではどうやって石を見つけるかというと、膀胱内にある場合はエコーで、尿道内にある場合は造影剤を尿道に入れて、造影剤の欠損として見つけます。

    resize0342.jpg
            単純レントゲンでは何も写りませんが・・・・

    resize0343.jpg
            造影剤を入れると、黒く抜ける所ができます

    resize0344.jpg
                      上の拡大写真

    ケイ素結石は他の地域ではほとんど見られない稀な結石で、困ったことに原因が不明なんです。土壌中のケイ素は例え食べたとしても吸収されないと言われています。それよりは、ケイ素の多い土壌で育てた野菜などを食べると体内に吸収される可能性があるとかですが、別に野菜を食べていない子でもなります。

    そこで浮上しているのが水道水疑惑です。水道水の中に吸収されやすいケイ素が含まれていて、それを飲み続けていて結石ができるのだと。

    しかし、これもまだ仮説の段階です。まだはっきりとは分かりません。何しろほとんどのワンちゃんが同じ水を飲んでいて結石にならないんですから。
    ちなみに、ネコちゃんのケイ素結石はまだ見たことがありません。

    ケイ素結石は薬剤で溶けませんから、見つけたら手術で取るしかありません。

    原因が分からないので予防しようがありません。
    でもどの結石も尿を薄くする(=水を沢山飲む)事が一番の予防法ですね。

    いんちょ

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    ジャンル:ペット
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