
ある日のこと
飼主「うちの子(猫♀)のお腹が急に大きくなってきたんです」
とやってきました。
触診とレントゲンで妊娠が確認されました。
私「3匹いますね。大きさからいってあと1週間か10日くらいで産むと思いますよ」
飼主「あらやだ~。いつの間に~?」
知りません。
そんなことがあったのを忘れかけていたある日の午後5時過ぎ、当の飼い主さんから電話がありました。
飼主「先生が言っていた予定日になっても生まなくて、今日(予定日より約10日後)になって午後2時に破水したんだけどその後全然生まれる気配が無いんです」
まあ予定日ったって交配日が分からない以上ただの勘なんで。
破水してから時間が経ってしまうと産道に胎児が詰まって死んでしまいますから急いで連れて来てもらいました。
ご近所さんなので10分もしないうちに来院しました。
当の猫さんはご機嫌でゴロゴロいってます。
私「あれ?産道が開いてない?」
飼主「破水してから全然生む気が無くて、ご飯食べたり寝たりしてるんですよ、この子」
微弱陣痛かも。
このままじゃ自然分娩は期待できないので急遽帝王切開です。
3匹の子猫を取り上げ、午後8時半頃、無事手術は終了しました。
そのうちの1匹の子猫だけ非常に弱い呼吸でなかなか動き出しません。
一生懸命にマッサージをします。
他の2匹はモゾモゾ動いてお母さんを探しますが、母猫さんは子猫を見て「何だこれ?」と言う顔をして無視。
何とか初乳を飲ませようと子猫を乳首に吸い付かせるも母親は身体をよじって拒否。
やっぱり帝王切開だと母性が湧かないのかなぁ。
しかし、子猫たちをよく見てみると生まれたばかりにしては爪が大きいし毛がフサフサ。
1匹に関しては今にも目が開きそうな感じです。
これはもしかしたら「長期在胎」なのかも。
何らかの理由で予定日が来ても出産が始まらず、子宮の中で胎児が育ちすぎるのを長期在胎といいます。
こういう場合いくら待っても生まれませんし、やがて胎児は子宮の中で死んでしまうので手術で取り出すしかありません。
今回の猫さんの場合は交配日が分からないので出産予定日が特定できません。
案外私の予想がピッタリだったのかもね。
飼主「連れて帰っていいですか?」
母猫がストレスのない環境の方がいいので、ひとまず家に連れて帰っていただくことにしました。
すると家に帰った途端に母猫が子猫をペロペロ舐めだしておっぱいも飲ませたそうです。
やはり落ち着く場所の方がいいよね。
残念ながら呼吸が弱かった1匹は、家に帰ってすぐに息を引き取ったそうです。
やはり破水してから時間が経ちすぎたのかな。
仕方がないですが、2匹が無事で良かったです。

(写真と本文は関係ありません)

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飼主「うちの子(猫♀)のお腹が急に大きくなってきたんです」
とやってきました。
触診とレントゲンで妊娠が確認されました。
私「3匹いますね。大きさからいってあと1週間か10日くらいで産むと思いますよ」
飼主「あらやだ~。いつの間に~?」
知りません。
そんなことがあったのを忘れかけていたある日の午後5時過ぎ、当の飼い主さんから電話がありました。
飼主「先生が言っていた予定日になっても生まなくて、今日(予定日より約10日後)になって午後2時に破水したんだけどその後全然生まれる気配が無いんです」
まあ予定日ったって交配日が分からない以上ただの勘なんで。
破水してから時間が経ってしまうと産道に胎児が詰まって死んでしまいますから急いで連れて来てもらいました。
ご近所さんなので10分もしないうちに来院しました。
当の猫さんはご機嫌でゴロゴロいってます。
私「あれ?産道が開いてない?」
飼主「破水してから全然生む気が無くて、ご飯食べたり寝たりしてるんですよ、この子」
微弱陣痛かも。
このままじゃ自然分娩は期待できないので急遽帝王切開です。
3匹の子猫を取り上げ、午後8時半頃、無事手術は終了しました。
そのうちの1匹の子猫だけ非常に弱い呼吸でなかなか動き出しません。
一生懸命にマッサージをします。
他の2匹はモゾモゾ動いてお母さんを探しますが、母猫さんは子猫を見て「何だこれ?」と言う顔をして無視。
何とか初乳を飲ませようと子猫を乳首に吸い付かせるも母親は身体をよじって拒否。
やっぱり帝王切開だと母性が湧かないのかなぁ。
しかし、子猫たちをよく見てみると生まれたばかりにしては爪が大きいし毛がフサフサ。
1匹に関しては今にも目が開きそうな感じです。
これはもしかしたら「長期在胎」なのかも。
何らかの理由で予定日が来ても出産が始まらず、子宮の中で胎児が育ちすぎるのを長期在胎といいます。
こういう場合いくら待っても生まれませんし、やがて胎児は子宮の中で死んでしまうので手術で取り出すしかありません。
今回の猫さんの場合は交配日が分からないので出産予定日が特定できません。
案外私の予想がピッタリだったのかもね。
飼主「連れて帰っていいですか?」
母猫がストレスのない環境の方がいいので、ひとまず家に連れて帰っていただくことにしました。
すると家に帰った途端に母猫が子猫をペロペロ舐めだしておっぱいも飲ませたそうです。
やはり落ち着く場所の方がいいよね。
残念ながら呼吸が弱かった1匹は、家に帰ってすぐに息を引き取ったそうです。
やはり破水してから時間が経ちすぎたのかな。
仕方がないですが、2匹が無事で良かったです。



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