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    鼻涙管洗浄
    2017年06月22日 (木) | 編集 |
    「目の周りが臭い」
    とのことでワンちゃん(小型犬、6ヶ月齢、メス)が来院しました。
    こぼれた涙が目頭の毛を濡らして炎症を起こし匂っているようです。

    涙が溢れるのは、涙量が多すぎる場合と、涙が鼻に抜ける管(鼻涙管)が狭かったり詰まっていたりする場合があります。
    涙量が多くなるのは目に刺激があって反応的に増加するか、涙腺の異常で多涙になるかです。
    鼻涙管の狭窄は炎症があったりゴミが詰まると起きますし、生まれつき狭いとか、稀に(私は未経験ですが)欠損していることもあります。

    目を診察してみると特に異常は無さそう。
    買ってきた時からずっとそうだったようですから鼻涙管のせいかも。
    そこで角膜染色用の色素で涙に色を付けて、その涙が鼻に抜けてくるか検査しましたが殆ど出てきません。
    「鼻涙管が詰まってるみたいね」

    鼻涙管洗浄が治療ですが、繊細な処置なので全身麻酔が必要です。
    すると、避妊手術をご希望というので、
    「それじゃあ麻酔している間に鼻涙管を洗浄しましょう」
    ということで、今日施術しました。

    鼻涙管洗浄 (1)
    涙管洗浄用の鈍先針

    まず麻酔をして、気管チューブを設置。
    鼻涙管の開口部を確認。

    鼻涙管洗浄 (2-2)
    鼻涙管洗浄 (2)
    下眼瞼

    鼻涙管洗浄 (5)
    鼻涙管洗浄 (5-2)
    上眼瞼

    どちらも欠損や閉塞はありません。

    そこに洗浄針を入れて生理食塩水をフラッシュ(勢いよく出すこと)します。

    鼻涙管洗浄 (4)

    鼻涙管洗浄 (6)

    すると鼻の方から生理食塩水が出てきました。

    鼻涙管洗浄 (3)

    これを何回もやって洗浄終了。
    反対の目も同様に施術します。

    取り敢えず一時的な詰まりは解消しましたが、残念ながら繰り返す子も多いです。
    まずは消炎剤の目薬で様子をみることにしましょう。

    治ってね!

    いんちょ

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