今日の午後、１本の電話。
「猫が喉に何か詰まったような感じで、涎は出るし辛そうなんで・・・」
とおっしゃるので連れて来ていただきました。

ネコちゃんの症状は、湿性の呼吸音で気管がガラガラ鳴っています。
一見すると呼吸器症状です。
ワンちゃんなら気管虚脱という病気の疑いを持ちますが、ネコちゃんの気管虚脱はほとんどありません。
口を大きく開けて喉を見ましたが何も見えません。
誤嚥して気管に何か入ってしまったかも。

レントゲンを撮ってみましょう。



肺の一部にほんの少し影がありますが、症状の主原因ではなさそうです。
喉の部分を拡大してみると、



気管が頸椎から離れて扁平になっています。
これは苦しそうだ。（＞＿＜）
ということは、食道の中に何かある？

良ーく見てみると、



あ、飼い主さんのおっしゃる通り、喉に何か詰まってるようです！
何だろう？
布か綿か・・・？

その異物は喉頭蓋（気管の蓋）より後方にあるので口を開けただけでは見えなかったのです。
これは麻酔を掛けなくちゃ見えません。

飼い主さんにお話しして麻酔を掛けて喉の奥を広げて見てみると、
「あ、何か見えた！」
黒っぽい物がありました。
鉗子で摘まんでみるとやっぱり布っぽい。
ちょっと引いただけでは動かないくらい嵌っています。
えいやっと引っ張って取り出しました。



なんだこれ？



ああ！毛球だー！！
胃の中で大きくなった毛球を吐こうとしたら、大きすぎて喉に詰まっちゃったんだ！
毛球が腸に流れて腸閉塞という話は聞いたことがありますが、食道に詰まるのは初めてです。

毛球・・・・侮れません！



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