あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    続 治療するリスク vs 放っておくリスク
    2015年02月21日 (土) | 編集 |
        ・・・・前日のつづき

    腫瘍のワンちゃんの術前の検査をしたところ、手術には充分耐えられると思われました(私の判断)。
    さあ、気合を入れて、慎重に手術をするぜ!

    巨大乳腺腫 (2)

    しかし、デカイ。
    〇印の所は地面で擦って皮が捲れちゃっています。
    腫瘍がこれだけ成長しているとそこに栄養を供給している血管も太くて多いです。
     剥離 ⇒ 止血 ⇒ 切断 ⇒ 剥離 ⇒ 止血 ⇒ 切断 ⇒ ・・・・
    の延々繰り返し。
    何とか腫瘍を摘出して計測してみると3.15kgもありました。
    摘出した所は大きく皮膚が欠損しています。
    周りの皮膚を引き寄せて無理の無いよう出来るだけ張力が掛からないように縫い合わせて終了。
    同時に避妊手術も行いました。

    巨大乳腺腫 (3)

    術後の経過も問題無く、無事家に帰ることが出来ました。

    後日検査センターに依頼した組織検査の結果の報告があり、腺管癌(乳癌)とのことでした。
    術前のレントゲン検査では今のところ転移像は見られませんでしたが、ミクロ的に転移があるかないかは分かりません。
    もっと早く手術をしていれば、とも思いますが、前病院での治療のお陰でここまで(手術できるまで)回復していたのかもしれません。

    今回は結果的に無事手術を終えることが出来ましたが、それはただラッキーだっただけなのかもしれません。
    万が一を恐れる気持ち、すごく良く分かります。
    その万が一を一度でも経験すると、出来るだけその治療を避けたくなります。
    長く臨床に携わっていればそういう経験も増えていくことでしょう。
    私にももちろんあります。

     A獣医師は「難しい」と言い、B獣医師は「それほどでもない」と言う。

    それって充分有り得ることなんです。
    私も今回の手術で万が一のことがあったら、次回の同様なケースでは悩むでしょうね。
    そうして段々慎重(憶病ともいう)になっていく・・・・ ( ̄_ ̄;)

    いんちょ

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    コメント
    この記事へのコメント
    ぶじ手術がしてもらえて、ワンちゃんも飼い主さんもほっとしているでしょうね。うちのネコはちょっと原因が違いますが手術してもらって、命が助かったことがあり、とってもありがたかったことを思い出しました。
    2015/02/21(Sat) 20:06 | URL  | ゲストさん #-[ 編集]
    ご苦労様でした。
    傷口痛々しいけど、手術できて
    重い腫瘍も取れてワンちゃんも楽になれ、飼い主さんも安心できて良かったですね。しかし、大きいですね
    2015/02/22(Sun) 00:56 | URL  | マリーママ #-[ 編集]
    すげぇーーーーーー!!
    と PCの前で叫んでしまいました。
    そのぐらい大きい塊。。。。

    実は私の猫友さんのところで つい最近 愛猫さんの舌を切除する という重大な手術を経験された人がいました。
    今はまだ入院中でカテーテルで栄養補給してますが
    経過は良好でもう少しでお家に帰れそうだということです。
    自分のときもそうだったけど 今回彼女の猫のことで
    また「命」とは、「決断」とは、「後悔する」とは と
    みんなでいろんなことを考えました。
    獣医さんの考えが飼い主さんと合うかどうかも重要ですよね。
    私は今のねこ病院の先生を信頼してますし、あい動物病院が通えるとこにあったら 是非お願いしたいと思います(^0^)
    2015/02/22(Sun) 08:37 | URL  | おかみっちょん #-[ 編集]
    > ゲストさん
    ワンちゃんはとても身軽になって軽快に歩いていました。
    その姿を見て飼い主さんも喜んでくださいました。

    そんなワンちゃんと飼い主さんを見て、私たち獣医師は幸せを感じます。
    2015/02/22(Sun) 11:06 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    >マリーママさん
    往診で伺って初めて見た時は「うわっ!」と言ってしまいました。
    とても歩き辛そうでしたし、座る時はその腫瘍の上に乗ってました。
    摘出した後もガニ股で歩いてました。
    癖になっちゃったんでしょうね。

    転移が無い事を祈るのみです。
    2015/02/22(Sun) 11:15 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    >おかみっちょんさん
    私が経験した中で、最高にデカかったのは大型犬の脾臓腫瘍で、7kgもありました。
    正中切開だけでは足りず、腹壁の横切開もして摘出しましたっけ。
    それに比べれば小さいですけど、それにしても・・・・(;´д`)はぁ~

    > 「命」「決断」「後悔」
    まさに医療現場での毎日です。
    命を守り、より少ない後悔のために難しい決断をする。
    獣医師も飼い主さんも。

    > 獣医さんの考えが飼い主さんと合うかどうかも重要ですよね。
    皆さんが動物病院を選ぶ基準ってこれにつきると思います。
    私も万人の要求に応えることは出来ませんが、私を信じて来て下さる患者さんに出来るだけの情報、治療を提供出来るように頑張ります。
    2015/02/22(Sun) 11:42 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    先生・・・ホントにお疲れ様でした。
    あたし、余りに凄い状態にもう・・・ドキドキしてこのワンちゃんの不自由さを考えたら今までよく頑張ったなって思ったり・・・。ここまで酷くなってしまったってどういうこと???って思ったり。ホント、いろいろ考えてしまいました。結果、本当によかったです。あたしもそうだったけど、先生にめぐり合えて幸せです。
    改めて、あい動物病院・・・先生のもとに家の子たちが通えること幸せに思いました。
    2015/02/23(Mon) 13:21 | URL  | LOVEラック #-[ 編集]
    おつかれ
    転移は時の運なんですが、飼い主さん了解してくれることを祈ります。

    医師にせよ獣医師にせよ
    「ペーパードライバーほどゴールド免許」
    みたいなのは勘弁
    って思ってしまうのは私だけ?

    難しい問題だとは思いますが、
    素人が「医師の最善の努力」を信用せず
    「不運」を受け入れない昨今の状況は
    確実に医療の進歩を遅らせているんですけどねぇ
    2015/02/23(Mon) 13:49 | URL  | せんせい #-[ 編集]
    >LOVEラックさん
    そんなにおっしゃっていただくと却って恐縮してしまいます。´^▽^`)ヾ
    前の獣医師が悪いとか、私が正しいとか言うつもりは全然無くて、人によって判断が違う例としてお話ししました。
    きっと前の獣医師は同じようなシチュエーションで辛酸を舐めたんではないでしょうか。
    私にも同じような事はありますので偉そうなことは言えません。
    誰しも得意不得意があります。
    もし説明や治療が疑問に思ったら他の獣医師の意見を聞くのも当然アリだと思いますよ。

    それで臍を曲げたりしませんからご安心ください!^^*)
    2015/02/23(Mon) 18:32 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    >せんせい
    医師も獣医師も(極一部の例外を除いて)患者さんにとって良かれと思って治療をしています。
    明らかなミスは責められて当然ですが、「最善の努力」にもかかわらず亡くなった時に「殺された」という言葉を聞くと、他院のことでも胸が痛みます。

    > 素人が「医師の最善の努力」を信用せず
    > 「不運」を受け入れない昨今の状況は
    > 確実に医療の進歩を遅らせているんですけどねぇ

    逆に、より安全な麻酔とか、より副反応の少ない薬とか、より負担の少ない治療法だとか、進歩することもありますよ。
    ただ、色々な処置の際に書かされる「同意書」「誓約書」の類はどんどん増加していきますね~。
    2015/02/23(Mon) 19:04 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    先生ッ、
    今までの獣医さんにも、とても感謝していますッ♪
    ホントに明らかなミスは許せないけど、一生懸命治療してくれる気持ちは変わりないと信じています!
    だけど、まぁ、とにかく、あたしは
    あい動物病院が大好きデスッ✨
    そして、なによりこのワンちゃんが転移してなく長生きしてくれるといいですねっ。
    一先ず、ワンちゃん…どんなにさっぱりしたことでしょうね。良かったなぁ…ホントに、良かったなぁ!
    2015/02/23(Mon) 23:30 | URL  | LOVEラック #-[ 編集]
    >LOVEラックさん
    ありがとうございます。
    そう言っていただけるとハゲみになります。 ☆^。^*)

    そうですね。
    ワンちゃん、長生きして欲しいです。
    2015/02/24(Tue) 20:40 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    >より安全な麻酔とか、より副反応の少ない薬とか、より負担の少ない治療法だとか、進歩することもありますよ。

    その開発のための生体(人にせよ動物にせよ)実験が、全然出来なくなってきてるのを知ってるくせに(笑)

    まぁいんちょ先生らしくていいや^^
    そのまま真っ直ぐ生きていって下さい。
    2015/02/25(Wed) 12:34 | URL  | せんせい #-[ 編集]
    go-no-goの判断はみんな毎日、いろんなとこでやっているわけなんですが、医療の場合、リスク―ベネフィットの天秤の―方が「リスク=死・増悪」だから、心配・信頼・確率・責任の間で大いに揺らぐ訳ですよね。

    「何言ってやがる」的な反論覚悟で言っちゃえば、“逃げない”んなら“誠実であること”を貫くしかないかなと。

    “誠実さ”は時に損もしますが、「愚直に誠実であること(人)の良さ」を、わたしゃ評価して、いんちょにハナマル進呈します。
    2015/02/25(Wed) 13:21 | URL  | ELO-3 #-[ 編集]
    >せんせい
    過分なるお褒めの言葉、有難うございます。m(_ _)m


    たかだか20や30の実験で効果と安全性を証明し、何十万何百万使用での副反応の責任を取らされる製薬会社。
    なのに世間で開発の必要が無く安価な”ジェネリック”が推奨される風潮は、開発している会社にはメチャクチャ厳しすぎると思います。
    もっと優遇してもいいのでは?と

    でもね。

    そういう厳しい制約の中で開発をする技術や努力は、更なる新たな進歩を生み出すんじゃないでしょうか。
    困難に直面したら、その困難に立ち向かって更に乗り越えて突き進む。
    それが損得を越えた人の向上心でしょ。

    その向上心があるうちは進歩は止まりませんよ。



    しかし、今の世の中は”損得・感情”が主だからなぁ。(;´д`)
    2015/02/25(Wed) 19:21 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    >ELOさん
    ハナマルありがとうございます。m(_ _)m

    溢れる知識を持たず、患者さんを納得させる話術も持たない私には「誠実」しかありません! <( ̄^ ̄)>



    な~んてね。´^▽^`)ヾ
    2015/02/25(Wed) 19:58 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    溢れる知識→ELO3
    患者さんを納得した気にさせる話術→ワタクシ
    誠意→いんちょ

    ってことでおっけ?
    せめて2つ揃ってりゃ、老後は安泰なのになぁ・・・
    2015/02/25(Wed) 20:36 | URL  | せんせい #-[ 編集]
    溢れ出るほどありゃぁ嬉しいんだが、あらかた全部出きったらしく、手元にほとんど残らなくってねぇ..... (T ^ T)
    2015/02/25(Wed) 21:12 | URL  | ELO-3 #-[ 編集]
    >せんせい、ELOさん
    おーーっと、これは!

    知識+話術+誠実の幻のコミックバンド「レアメン」再始動かー?




    あ、やっぱり幻かぁ~。( ̄Д ̄;)
    2015/02/25(Wed) 23:45 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
    加齢臭.... いや、深みを増したオトナの熟成香が加わりますなー ( ̄Д ̄)ノ
    2015/02/27(Fri) 07:03 | URL  | ELO-3 #-[ 編集]
    >ELOさん
    幻のままがいいかも・・・。^^;
    2015/02/27(Fri) 17:58 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
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