あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    難治性角膜潰瘍
    2014年01月14日 (火) | 編集 |
    なかなか右目の充血が治らないというワンちゃんが来ました。
    点眼薬をさすと良くなったり、また元に戻ったりの繰り返しでした。

    一見キレイな角膜ですが、念のため角膜染色(フルオレセイン)をしてみました。

    フルオルテスト

    あらら、見事にグリーンに染まっています。
    でもよーく見てみると、染まっている部分の境界が不明瞭です。

    フルオルテストのアップ

    そして更によ~~く見てみると、内側にうっすらとラインが見えます。

    フルオルテストのアップに補助線

    これは難治性角膜潰瘍の特徴です。


    角膜の構造は、表面から「上皮」「実質」「デスメ膜」「内皮」の4層で出来ています。

    角膜の断面
    千寿製薬「眼の治療マニュアル」より

    上皮が削れて実質が露出した状態を角膜潰瘍と言いますが、フルオレセイン染色をすると上皮は染まらず、実質だけが染まります。

    フルオル模式図

    角膜上皮は削れた縁の部分が再生して潰瘍を塞いできます。
    軽度の潰瘍なら1~2週間で治ります。

    しかし難治性角膜潰瘍の時は上皮が削られているだけではなく、少し実質から剥がれている状態です。
    するとフルオレセインはその隙間に入り込んで上皮の縁より広範囲が染まりますが、その辺縁はボケて染まります。

    難治性角膜びらんフルオル模式図

    これがなぜ難治性になるかというと、上皮の縁は実質から離れていると再生しないからです。
    待てど暮らせど実質は露出したまま・・・・。

    治療はどうするかと言うと、点眼麻酔をして角膜表面を麻痺させてから、滅菌綿棒で浮いている上皮をこそぎ取るんです。 >_<)イタソー
    浮いている部分が無くなると再生が始まるという訳です。

    幸いこのワンちゃんはとてもフレンドリーな子でしたから点眼麻酔だけで出来ましたが、そうでない子は全身麻酔しなければ出来ないですね。

    いんちょ

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    コメント
    この記事へのコメント
    えー、すごく怖いです。うちも、よく見てみよう!!!
    2014/01/17(Fri) 11:04 | URL  | LOVEラック #-[ 編集]
    >LOVEラックさん
    目ヤニや涙目になってなければ大丈夫ですよ。
    2014/01/17(Fri) 15:30 | URL  | いんちょ #-[ 編集]
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