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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    4.54kg
    2017年06月08日 (木) | 編集 |
    狂犬病の予防注射に来院した10歳のワンちゃん
    「最近少し元気無いんだよね~」
    とのこと。

    診察室に入ってもらってビックリ!
    骨が浮き出るほど痩せているのにお腹だけがパンパンに張っています。
    トントンと指で軽く突くと波動感があります。
    「腹水が貯まってますよ」
    狂犬病の予防注射どころじゃありません。

    急遽血液検査とエコー検査を実施しました。
    診断は「子宮蓄膿症」
    腹水じゃなかった・・・・(; ̄д ̄)

    このまま置いておいたら子宮破裂の危険がありますから緊急手術です。

    急いで器具の滅菌をして、慎重に麻酔をして気管チューブを挿入し、ガス麻酔で維持をして手術開始。
    腹壁を切開すると、そこには膿が貯まった子宮がドーーン・・・というか子宮しか見えない。
    よく破裂しなかったなぁ。。。
    これだけの物をお腹から急に取り出すと、一気に腹圧が下がってショックを起こすのでそーっとそーっと少しづつ引っ張り出します。
    それでも巨大な子宮を全部お腹から引き出した時に徐脈になってきました。
    昇圧剤と抗コリン剤の静脈注射で持ち直し、そのまま手術は無事終了。
    お腹がぺったんこ。

    手術前のワンちゃんの体重は15.4kgで、摘出した子宮はなんと4.54㎏!

    子宮蓄膿 (2)

    ほぼ体重の3分の1を占めていました。
    これは当院での最高記録です。

    身軽になったワンちゃんは手術翌日からご飯をバクバク食べ元気になりました。

    しかし手術前の状態で、少なくなったとはいえそれなりにご飯を食べていたといいますから驚きです。
    足取りも軽く、今日退院しました。

    いんちょ

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