
子犬や子猫が異物を食べてしまう事故は飼い主さんの悩みの種ですが、今回はなんとホッチキスの針です。
飼い主さんが外出から帰宅された時に、ホッチキスの針が散乱していて吐いていて、針を食べたかどうかは不明とのこと。
早速連れて来ていただいてレントゲンを撮ると、

胃の中にバッチリ写っています。(; ̄Д ̄)
それにしても見事に塊になってるなぁ~。
これなら吐かせることができるかも。
そのままじゃ危ないから何か食べさせて、食べ物と一緒に吐かせてみよう。
a/dという美味しい缶詰をもらって上機嫌のワンちゃんにトラネキサム酸の静脈注射をしましたが、もったいないそうで吐かず。
少し待ってからオキシドールを飲ませましたが、やっぱり吐かず。。
「うぬぬ」ともう一度オキシドールを追加投与したところ、やっと吐きました。
しかし吐物の中にホッチキスの針は出てきませんでした。 (_ _;)ガクッ
レントゲンだけでは胃内の様子が分かりません。
内視鏡で見れば確認できるし、もしかしたら内視鏡で摘出できるかもしれないと思い、翌日内視鏡がある病院を紹介し行ってもらいました。
しかし、そちらの病院の院長先生から連絡が入りました。
「事前のレントゲン検査したら、ホッチキスの塊がほぐれかかっています。これを内視鏡で摘出しようとするとバラバラになって食道に引っ掛けて落としてきてしまう危険があります。そうすると開胸手術になってしまうんですよ~。」
開胸手術は大手術です。
しかも食道切開は大変合併症の多い厄介な手術になります。
「それで開腹手術をお勧めしたら、『それなら”あい”さんで手術してほしい』とのことです。」
m(_ _)mあちこち行ったり来たりさせてしまい、本当に申し訳ございません!
当院でも確認のレントゲンを撮ってみると


なるほど、遊離してる針があります。
1本はすでに結腸まで流れていますが、それは便となって無事出そうです。
ここはひとつ、意を決して開腹手術をしましょう!
手術は至ってシンプル。
上腹部正中切開し胃を露出させて異物を確認して切開して出すだけ。
でも今回はほつれた針も残さず回収しなければなりません。
そのための秘策1: 磁石

普通の磁石を滅菌して、縫合糸で縛って胃の中に入れてステンレス製の針をくっ付けて回収する作戦。
見事成功。
そのための秘策2: レントゲン台で手術
確実に胃内に針が残ってないのを確認しないと手術は終わりません。
当院の手術台はレントゲンを撮れるようにはなっていないので、レントゲンを撮るとしたら一旦お腹を閉じて移動して撮影し、もし残っていたら再度開腹しなければなりません。
それは大変面倒なので、最初からレントゲン台の上で手術をすることにしました。

摘出後、縫合前の確認のレントゲン写真。胃内に残っている針はありません。
これで安心して縫合できます。
摘出したホッチキス針の塊は

予想外にガッチリ固まっていてちょっと触ったぐらいではビクともしません。
一体どうやって固めたんでしょう??
手術は無事終了~。
しかし腰が痛い・・・(>_<)
レントゲン台は高さ調整がありませんから低い位置での手術になります。
自称身長180cmの私は、手術中ずっと最敬礼45°のお辞儀をしていたのでした~。

←ランクアップにご協力下さ~い! ポチッとな。
飼い主さんが外出から帰宅された時に、ホッチキスの針が散乱していて吐いていて、針を食べたかどうかは不明とのこと。
早速連れて来ていただいてレントゲンを撮ると、

胃の中にバッチリ写っています。(; ̄Д ̄)
それにしても見事に塊になってるなぁ~。
これなら吐かせることができるかも。
そのままじゃ危ないから何か食べさせて、食べ物と一緒に吐かせてみよう。
a/dという美味しい缶詰をもらって上機嫌のワンちゃんにトラネキサム酸の静脈注射をしましたが、もったいないそうで吐かず。
少し待ってからオキシドールを飲ませましたが、やっぱり吐かず。。
「うぬぬ」ともう一度オキシドールを追加投与したところ、やっと吐きました。
しかし吐物の中にホッチキスの針は出てきませんでした。 (_ _;)ガクッ
レントゲンだけでは胃内の様子が分かりません。
内視鏡で見れば確認できるし、もしかしたら内視鏡で摘出できるかもしれないと思い、翌日内視鏡がある病院を紹介し行ってもらいました。
しかし、そちらの病院の院長先生から連絡が入りました。
「事前のレントゲン検査したら、ホッチキスの塊がほぐれかかっています。これを内視鏡で摘出しようとするとバラバラになって食道に引っ掛けて落としてきてしまう危険があります。そうすると開胸手術になってしまうんですよ~。」
開胸手術は大手術です。
しかも食道切開は大変合併症の多い厄介な手術になります。
「それで開腹手術をお勧めしたら、『それなら”あい”さんで手術してほしい』とのことです。」
m(_ _)mあちこち行ったり来たりさせてしまい、本当に申し訳ございません!
当院でも確認のレントゲンを撮ってみると


なるほど、遊離してる針があります。
1本はすでに結腸まで流れていますが、それは便となって無事出そうです。
ここはひとつ、意を決して開腹手術をしましょう!
手術は至ってシンプル。
上腹部正中切開し胃を露出させて異物を確認して切開して出すだけ。
でも今回はほつれた針も残さず回収しなければなりません。
そのための秘策1: 磁石

普通の磁石を滅菌して、縫合糸で縛って胃の中に入れてステンレス製の針をくっ付けて回収する作戦。
見事成功。
そのための秘策2: レントゲン台で手術
確実に胃内に針が残ってないのを確認しないと手術は終わりません。
当院の手術台はレントゲンを撮れるようにはなっていないので、レントゲンを撮るとしたら一旦お腹を閉じて移動して撮影し、もし残っていたら再度開腹しなければなりません。
それは大変面倒なので、最初からレントゲン台の上で手術をすることにしました。

摘出後、縫合前の確認のレントゲン写真。胃内に残っている針はありません。
これで安心して縫合できます。
摘出したホッチキス針の塊は

予想外にガッチリ固まっていてちょっと触ったぐらいではビクともしません。
一体どうやって固めたんでしょう??
手術は無事終了~。
しかし腰が痛い・・・(>_<)
レントゲン台は高さ調整がありませんから低い位置での手術になります。
自称身長180cmの私は、手術中ずっと最敬礼45°のお辞儀をしていたのでした~。


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