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    猫の記憶力
    2016年02月20日 (土) | 編集 |
    「3年飼っても3日で忘れる」と言われる猫の記憶力はどれほどなんでしょう?

    猫に対する実験はなかなか難しい面があります。
    ある行為をしたかしないかで判断する実験では、猫がしないのは「出来ないから」なのか「したくないから」なのか分からないからです。
    そんな中で「食べ物」に対してはかなり正直に反応するようです。

    ミシガン大学のDr. Maierとアメリカ自然史博物館のDr. Schneirlaが犬と猫の記憶力について実験しました。
    実験方法は
    ①沢山の箱を並べて、上のランプが点灯した箱の中に食べ物があることを覚えさせる。
    ②トレーニングが完了したらランプを短時間だけ点ける。
    ③その後箱に近づけないようにして、どれくらい経っても思い出せるかをテスト。
    その結果、犬は5分もすると忘れてしまいましたが、猫は16時間以上も覚えていたそうです。
    この記憶力は猿やオランウータン並みだとか。

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    一方、同じようなことをオモチャでやってみると、10秒しかもたなかったという実験結果もあるようです。
    興味の深さによるんですね。

    さて、猫はどのくらいの期間飼い主を覚えているのでしょうか。
    それについての研究はまだほとんど無いようです。
    経験的には、数日から数か月というところでしょうか。
    知らない人が来るとビビッて隠れてしまうグレースですが、娘が3~4か月ぶりに帰省しても逃げません。
    しかし、飼い主さんの都合で数ヶ月病院に預けられていた猫が、ようやく飼い主さんが迎えに来た時に、猛烈に帰るのを嫌がったという例もあるので、一概には言えないようです。
    ただこれも猫にもよるし、どういう環境だったのかにもよるような気がします。

    IMG_8022.jpg
    「ボクは怒られても3秒で忘れるよ。えへっ」

    一方、不快な記憶はかなり永く続きます。
    痛い、怖い、驚くというようなネガティブな刺激はいつまでも覚えています。
    ひどい目に遭わされた人には決して懐かないとか、怖い思いをした場所には近づかないなどはよく見られます。

    しかし、これも何かをきっかけに変わることがあります。
    私のことを凄く嫌っていたシャーシャーいってた猫ちゃんが、同居の老猫さんが亡くなった途端にとてもフレンドリーになったことがあります。
    その他には私が何かをしたということはありません。
    これは単に性格の変化かもしれませんが、私を嫌っていた記憶はどこに行ってしまったのでしょう?

    かように猫の記憶に対する検証・実験は、猫の性質(気まま、わがまま)のために非常に困難です。
    ただ、生きるために必要な条件、例えば、危険な場所とか、嫌な目にあわされた敵対関係などは、いつまでも覚えているようですね。

    IMG_8174.jpg
    「一生呪ってやる・・・」


    私見では、犬は加点方式、猫は減点方式だと思っています。
    ですから犬のしつけは褒めて褒めて良いことを伸ばしていく。
    猫のしつけは脅して驚かせて悪いことをさせないようにする。

    でも猫は賢いですから、脅したり驚かしてるのが人だと分かると「次は人に見つからないようにやろう」とします。

    この辺が「猫はズル賢くて執念深い」といわれる原因でしょうね。

    いんちょ

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    テーマ:猫のいる生活
    ジャンル:ペット