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あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
真っ黒結石
2015年04月14日 (火) | 編集 |
オシッコがポトポトしか出ないチワワさんが来ました。

この子は以前にも尿道結石になり、尿道閉塞を起こした病歴があります。
結石のせいか、尿道の一部が非常に狭く細くなってしまい(尿道狭窄)、5Fr(5フレンチ=外径1.7mm)のカテーテルが通りませんでした。

そこでその時の治療は、尿道に詰まった結石を膀胱に戻し、狭窄を起こした部分を拡張するように尿道を切開して、やっと通ったネコ用の3.5Frのカテーテルを留置するという手術を実施しました。
膀胱内の結石は、飼い主さんが開腹手術を望まれなかったので、それ以上増えないように(あわよくば溶けてくれるように)結石予防のフードを食べてもらいました。
結石は回収できませんでしたし、尿中に結晶も確認できませんでしたから、結石の成分は不明でした。

2ヶ月ほどネコ用カテーテルを留置しておいてから抜去すると、自力で排尿できるようになりました。
このまま膀胱内の結石が尿道に下りてきませんように。
(あわよくば溶けて消えますように)

しかし、残念ながら再発をしてしまったのでした。(;´д`)

パンパンに張ったお腹のレントゲンを撮ります。

膀胱尿道結石

膀胱内の結石

黄色い丸で示した拡張した膀胱の中に赤い丸の結石が6つ見えます。
前回の処置の時と大きさも数も変わりません。
つまりこれは溶ける結石(ストルバイト)ではない、ということです。

しかし問題はこっちよりも、尿道の結石です。

陰茎骨部の結石

このレントゲン写真の黄色い四角の部分を拡大して、明暗とコントラストを調整すると

尿道結石

陰茎骨(ワンちゃんのチンチンには骨があります!)直下にしっかり結石があるのが分かります。

今回もやっぱり5Frのカテーテルは通らず、ネコ用カテーテルがやっと入るのみ。
飼主さんに溶けない石であること、尿道はあいかわらず狭窄していること、だから再発しやすいこと、また術後の管理は尿道切開より膀胱切開の方が全然容易であることをお話ししたら、膀胱切開をして結石を取り出すことを承諾していただきました。

麻酔を掛けてからネコ用カテーテルを当たる所まで入れて、生理食塩水を思いっきりカテーテルを通してフラッシュします。
そしてレントゲン。

尿道の石を膀胱に戻す

陰茎骨直下の石は消えて、膀胱内に7つの石が見えます。
さあ常法通り膀胱切開です。

さて、膀胱から出て来た石は?

真っ黒結石
(結石の1つは分析に回しました)

なんだこれ?
炭みたいに真っ黒い。
こんな結石初めて見たよ~。
しかも細かい砂みたいな結石もいっぱい出て来た!
こんなに細かいとレントゲンにも写らない。 ̄Д ̄

後日結石分析の結果が来ました。

     98%以上 シュウ酸カルシウム(1水和物)

シュウ酸カルシウム結石

比較的よく見られるのは2水和物の方ですが、1水和物だって普通は真っ黒じゃないよ?

何年やっていても「こんなの初めてー」な症例はやって来ますね。

いんちょ というか、全く同じ症例は無いんですけどね

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