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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    ワクチン接種率
    2015年03月24日 (火) | 編集 |
    伴侶動物ワクチン懇話会」からちょっと驚きのデータをいただきました。
    下のポスターをご覧ください。

    国別ワクチン接種率の現状(縮小)
    (伴侶動物ワクチン懇話会とは、飼い主の皆さまに伴侶動物の感染症の予防啓発とワクチンの普及を目的として設立された団体です)

    国別のワクチン接種率の現状を表したグラフで、青はワンちゃん、赤はネコちゃんです。
    アメリカ、フランス、オランダと比べて日本の接種率の低さに驚愕です。

    ワクチンの目的には「個体免疫」と「集団免疫」があります。

    ☆個体免疫
    予防接種して免疫をつくれば感染しても発症しません。
    もし発症しても症状が軽く済み重症化することを防げます。
    このように個々の発症や重症化を予防するのが個体免疫です。
    ただし、ワクチンで免疫が十分つかない場合があったり、免疫不全や自己免疫疾患のためワクチンが打てないワンニャンがごく一部ですがいたりします。
    さらに生まれたてのベビーも時期がくるまでワクチン接種ができません。

    ☆集団免疫
    集団内に免疫をもつワンニャンが多ければ病気自体が流行しにくくなります。
    これが集団免疫と呼ばれるもので、最大限に効果を発揮すれば、地球上からなくなってしまう病気もあります。
    実際に天然痘という死亡率30%もある人の病気は、ワクチンをしっかりと打っていくことで地球上からなくなりました。
    このようにして集団免疫ができれば、ワクチンを打ったけど十分免疫がつかなかったワンニャンや、打ちたいけれど免疫不全等で打てない子、ワクチンの接種時期前のベビーなどが病気から守られます。

    一般に集団構成員の約70%が免疫を保有していれば流行は起こらないといわれていますが、上のグラフを見る限り集団免疫は全然無理です。
    接種が義務付けられている狂犬病は全国平均で72.6%(平成25年度)ですが、これは登録頭数に対しての接種率ですから、登録さえしていない犬も含めると50%を切っているのではないかと言われています。

    また、アメリカなどでは3年に1回のワクチン接種が推奨されていますが、上記のように集団免疫ができているからとも言えます。

    集団免疫が望めないとしたら、個々が自衛のために毎年ワクチンを打って免疫を維持するしかないですね。

    いぬねこワクチン

    いんちょ

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