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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    術後の管理
    2015年01月10日 (土) | 編集 |
    当院の元スタッフの高橋さんの愛犬トイプードルさんが、昨年11月の末に骨折しました。
    現在東京に住んでいる高橋さんですが、夜にもかかわらずすっ飛んで富士市まで連れて来ました。

    診れば右前肢がブラブラ。
    一目で骨折と分かりますが、まずはレントゲンを。

    骨折!

    おお~!痛そう・・・。
    見事な橈骨と尺骨の骨折です。
    単純骨折なので手術は比較的簡単です。

    術後

    問題はこの状態をどうやって維持するかです。
    ギプスで固定するのがセオリーですが、ズレるのが難点。
    超小型犬の橈尺骨骨折の時と同じように注射筒と針金でオリジナルのトーマススプリントを作りました。

    補助プレート

          ギプス

    ギプス固定

    例の通り、足先を出して着けるようにしてあります。
    テープでがっちり固定してますが、1ヶ月間装着しているうちに段々ズレてしまいます。
    そこで、今回は高橋さんのアイデアでトーマススプリントをハーネスで固定してみました。

          ハーネスでスプリントを固定

    これが大当たりでした。
    1ヶ月間ほとんどズレなかったようです。
    東京での自宅療養の間は経過観察が出来ませんが、何しろ信頼できる元スタッフの高橋さんが付いていることですから、全然不安はありませんでした。
    「スプリントがズレたら直しておいてね~♪」ってな感じで。

    そして今日、そのワンちゃんが抜ピンに来ました。

    抜ピン前2
    抜ピン前のレントゲン写真

    「結ちゃん!大変だ!」
    「え?どうしました?曲がっちゃいましたか?」
    「驚くほどまっすぐだ!」
    「ビックリさせないで下さい!」

    抜ピン後2
    抜ピン後のレントゲン写真

    美しい。
    惚れ惚れするような仕上がりです。・:*:・(*´▽`*)ウットリ・:*:・

    抜ピン後アップ


    古典的な髄内ピンとトーマススプリントでもちゃんと治ります。

    でもこれだけキレイに治るのは、手術じゃなくて適切な術後の管理の賜物です。
    いくら完璧に手術をしても、はしゃいで暴れまわったらズレたり曲がったりする可能性が高いです。
    やっぱりさすが結ちゃんだね。

    いんちょ

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