
今日ご来院のワンちゃん、下痢が続くというので検便をしました。
するとこんな
のが見つかりました。

一見すると犬回虫卵
とそっくりです。

でも実はこれ、「犬小回虫」という別の寄生虫なんです。
成虫を比べてみましょう。


どっちでもええわ! というくらい似ています。 ^^;)
虫卵の見分け方は卵殻周囲にデコボコした粘着性のある蛋白膜があるかないかです。


小回虫卵の周囲はツルツルしていて、卵殻の内側に不規則な蛋白膜様の構造物があるのが特徴です。
で、今回の虫卵を見てみましょう。

卵殻の内側がモヤモヤっとしてます。
とても似ている両寄生虫ですが、ライフサイクル(生活環)が違います。

犬小回虫のライフサイクルは非常にシンプルです。
便中に産みだされた虫卵は5~10日で成熟し、その虫卵を経口摂取すれば腸内で成虫になります。
中間宿主も無く、何度でも感染します。
一方、犬回虫のライフサイクルは大変複雑です。

30日齢未満の子犬の場合は、虫卵を経口摂取すると虫卵から孵った幼虫は腸から体内に入って血流・リンパ流に乗り、肝臓・心臓を経て肺に達し、気管から喉を通って再び食道⇒胃⇒腸と移動して成虫になります。
ところが、子犬が30日齢以上の月齢になると、腸から体内に入った幼虫は血流・リンパ流に乗って全身の組織に達し、その場で被嚢(袋を被って身を守っている)し、それ以上の成長を止めてしまいます。
もし感染したワンちゃんが雌で、運良く(?)妊娠した時に被嚢した幼虫はおもむろに活動を再開して、胎盤を介して、あるいは産後に乳汁を介して子犬に感染するのです。
複雑すぎて理解できな~~い!!(>_<)ヾ(^。^;)まあまあ
なにはともあれ、30日齢以上の子犬で回虫がいる場合は、一旦駆虫(虫下し)すれば腸内の回虫は駆除されて、その後に再び腸内に回虫が寄生することは無い、ということです。
今日のワンちゃんは回虫の駆虫効果があるミルベマイシンというフィラリア予防薬を投薬していますが、犬小回虫は自家感染しますので繰り返しちゃうんです。
人への感染はどちらもありますが、犬小回虫は消化管の中だけの移動なのでほとんど害はありません。
しかし犬回虫は体内を移動しますので、眼や神経系に入ると障害が出ることもあります。
子犬の回虫は犬回虫
成犬の回虫は犬小回虫
と思っていただければ、ほぼ合ってます。^^;)

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するとこんな


一見すると犬回虫卵


でも実はこれ、「犬小回虫」という別の寄生虫なんです。
成虫を比べてみましょう。


どっちでもええわ! というくらい似ています。 ^^;)
虫卵の見分け方は卵殻周囲にデコボコした粘着性のある蛋白膜があるかないかです。


小回虫卵の周囲はツルツルしていて、卵殻の内側に不規則な蛋白膜様の構造物があるのが特徴です。
で、今回の虫卵を見てみましょう。

卵殻の内側がモヤモヤっとしてます。
とても似ている両寄生虫ですが、ライフサイクル(生活環)が違います。

犬小回虫のライフサイクルは非常にシンプルです。
便中に産みだされた虫卵は5~10日で成熟し、その虫卵を経口摂取すれば腸内で成虫になります。
中間宿主も無く、何度でも感染します。
一方、犬回虫のライフサイクルは大変複雑です。

30日齢未満の子犬の場合は、虫卵を経口摂取すると虫卵から孵った幼虫は腸から体内に入って血流・リンパ流に乗り、肝臓・心臓を経て肺に達し、気管から喉を通って再び食道⇒胃⇒腸と移動して成虫になります。
ところが、子犬が30日齢以上の月齢になると、腸から体内に入った幼虫は血流・リンパ流に乗って全身の組織に達し、その場で被嚢(袋を被って身を守っている)し、それ以上の成長を止めてしまいます。
もし感染したワンちゃんが雌で、運良く(?)妊娠した時に被嚢した幼虫はおもむろに活動を再開して、胎盤を介して、あるいは産後に乳汁を介して子犬に感染するのです。
複雑すぎて理解できな~~い!!(>_<)ヾ(^。^;)まあまあ
なにはともあれ、30日齢以上の子犬で回虫がいる場合は、一旦駆虫(虫下し)すれば腸内の回虫は駆除されて、その後に再び腸内に回虫が寄生することは無い、ということです。
今日のワンちゃんは回虫の駆虫効果があるミルベマイシンというフィラリア予防薬を投薬していますが、犬小回虫は自家感染しますので繰り返しちゃうんです。
人への感染はどちらもありますが、犬小回虫は消化管の中だけの移動なのでほとんど害はありません。
しかし犬回虫は体内を移動しますので、眼や神経系に入ると障害が出ることもあります。
子犬の回虫は犬回虫
成犬の回虫は犬小回虫
と思っていただければ、ほぼ合ってます。^^;)


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