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あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
避妊の方法
2014年07月19日 (土) | 編集 |
ワンニャンのメスの避妊方法には、手術の他にホルモン剤を注射、あるいはホルモン徐放剤(インプラント)を体内に移植する方法があります。
使われるのは合成黄体ホルモン剤です。

卵巣から卵子が排卵された後に黄体が出来て黄体ホルモンを出します。
黄体ホルモンは子宮を妊娠の準備をするように変化させますが、もし妊娠が起こった場合には、出産までの間妊娠を維持させる役目を果たしています。
妊娠中には発情が来ませんから、注射やインプラントはその性質を利用して人工的に発情抑制を起こさせます。

「手術は嫌!でも発情・出産も困る!」
という方には便利です。

デルボステロン
ジースインプラント

注射もインプラントも永遠に効果がある訳でありませんので一定期間経過したら再投薬します。
もし子供が欲しくなった時には、注射を中止するかインプラントを摘出すれば、また発情が回帰するので妊娠も可能です。

しかし良いことばかりではありません。
注射もインプラントもホルモンを注入するのですから、ホルモンバランスが崩れます。
能書の副作用欄には、脱毛、かゆみ、湿疹、被毛の脱色、嘔吐、疼痛、食欲増加等の他に
・ときに、子宮蓄膿症、乳腺肥大・腫瘍を起こすことがある。
と記載されています。
当院ではその副作用を心配し合成黄体ホルモン剤の使用はせずに”避妊手術”を行っています。

他院にてインプラント製剤を移植してもらって数年経ってから子宮蓄膿症や乳腺腫瘍になってくる患者さんがいらっしゃいます。
先日も子宮内膜炎になったワンちゃんの卵巣子宮全摘出手術をして、インプラントを摘出した例もありました。

インプラント (1)

避妊手術にも太りやすくなったりホルモン失調や稀に尿失禁を起こすなどのデメリットがあります。
デルボステロンやインプラントは学術的にも製剤としても認められた方法ですから否定をするつもりはありませんが、こういう症例をいくつも見ると、やっぱり私は避妊手術の方を選択したいと思っています。

いんちょ

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