
ワンちゃんの前足骨折がやってきました。
肘から手首までの間には橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という2本の骨がありますが、その2本ともポッキリ折れています。

骨折の原因は”抱っこしていて飛び降りてしまった”から。
そんなことで? と思われるかもしれませんが、小さいワンちゃんではよくあることなんです。
時には椅子に座って抱っこしていて、膝から飛び降りただけで骨折してしまうこともあるんです。
骨折が多いと言われるウチのイタリアングレーハウンドも小さい頃は過剰なほど気を付けていました。
さてこの骨折のワンちゃん、レントゲン上では普通の骨折ですが、一つだけ厄介なことがありました。
実はこのワンちゃん、体重が1.4kgしかありません。w( ̄△ ̄)w
最近骨折の手術では「プレート」や「創外固定」が流行りですが、骨が細すぎて穴をいくつも開けることができません(開けた穴の所が骨折したりします)。
昔ながらの「髄内ピン法」で整復したいのですが、何しろ細い骨なので骨髄も細い!
何とか無理して直径1mmのピンがやっと入る程度です。

キレイにピンが入りましたが、これで手術は終わりません。
1mmのピンだけではとても支えられません。
ピンは骨折端のズレを防止するのが目的で、屈曲は外副子で防止します。
もう少し大きいワンちゃんでしたらギプスを使うこともありますが、何しろ対象が小さすぎます。
そこでいんちょは考えた。
「注射筒の外筒を利用してみよう」

10ccのプラスチック注射筒の外筒をハサミで切って加工します。
これがまた1.4kgのワンちゃんの前足にピッタリはまります。
でもまだそれだけではピンを軸にした回転を防ぐことができません。
そこで得意の針金細工です。
このために買ってきた”ステンレス鋼性針金”を加工してこんなのを作りました。


どうやって使うかというと


こんな風に装着します。
レントゲンを撮ってみると

こんな感じです。
完全オーダーメイドですね。^^*)
私たちが学生の時には「トーマス・スプリント」という外副子を習いました。

これは肢先が床に着かないようにして、骨折部に負荷を与えないようにする副子です。
ところが現在では骨折の治癒の促進のためには若干負荷を加えた方が良いというのが常識となっていますので、トーマス・スプリントは否定されています。
今回作った針金細工はこのトーマス・スプリントの改良型です。
何が違うかというと肢先が出ていて、床に触れる所です。
少しづつ肢先を着いて骨に刺激を与えてもらうのが目的です。
さあ、これでしっかり治っておくれ!

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肘から手首までの間には橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という2本の骨がありますが、その2本ともポッキリ折れています。

骨折の原因は”抱っこしていて飛び降りてしまった”から。
そんなことで? と思われるかもしれませんが、小さいワンちゃんではよくあることなんです。
時には椅子に座って抱っこしていて、膝から飛び降りただけで骨折してしまうこともあるんです。
骨折が多いと言われるウチのイタリアングレーハウンドも小さい頃は過剰なほど気を付けていました。
さてこの骨折のワンちゃん、レントゲン上では普通の骨折ですが、一つだけ厄介なことがありました。
実はこのワンちゃん、体重が1.4kgしかありません。w( ̄△ ̄)w
最近骨折の手術では「プレート」や「創外固定」が流行りですが、骨が細すぎて穴をいくつも開けることができません(開けた穴の所が骨折したりします)。
昔ながらの「髄内ピン法」で整復したいのですが、何しろ細い骨なので骨髄も細い!
何とか無理して直径1mmのピンがやっと入る程度です。

キレイにピンが入りましたが、これで手術は終わりません。
1mmのピンだけではとても支えられません。
ピンは骨折端のズレを防止するのが目的で、屈曲は外副子で防止します。
もう少し大きいワンちゃんでしたらギプスを使うこともありますが、何しろ対象が小さすぎます。
そこでいんちょは考えた。
「注射筒の外筒を利用してみよう」

10ccのプラスチック注射筒の外筒をハサミで切って加工します。
これがまた1.4kgのワンちゃんの前足にピッタリはまります。
でもまだそれだけではピンを軸にした回転を防ぐことができません。
そこで得意の針金細工です。
このために買ってきた”ステンレス鋼性針金”を加工してこんなのを作りました。


どうやって使うかというと


こんな風に装着します。
レントゲンを撮ってみると

こんな感じです。
完全オーダーメイドですね。^^*)
私たちが学生の時には「トーマス・スプリント」という外副子を習いました。

これは肢先が床に着かないようにして、骨折部に負荷を与えないようにする副子です。
ところが現在では骨折の治癒の促進のためには若干負荷を加えた方が良いというのが常識となっていますので、トーマス・スプリントは否定されています。
今回作った針金細工はこのトーマス・スプリントの改良型です。
何が違うかというと肢先が出ていて、床に触れる所です。
少しづつ肢先を着いて骨に刺激を与えてもらうのが目的です。
さあ、これでしっかり治っておくれ!


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