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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    厄介な股関節脱臼
    2014年06月19日 (木) | 編集 |
    股関節脱臼の手術を行う場合、なかなか厄介な時があります。

    まず大型犬です。
    ただ単純に体重が重いというだけでも大変ですが、脱臼を整復するのに縮んだ筋肉を伸ばさなければならず、その筋肉量の多さも難易度アップです。

    超小型犬もやり難いです。
    当院では切開せずに皮膚上から骨頭と寛骨臼を貫くようにピンを刺入しますが、超小型犬は骨が細いため細いピンしか使えません。
    それでも骨頭が欠けないかとても神経を使います。
    体重2kg以下の子にはピンニングはおすすめしません。

    ダックスさんは大腿骨の形が他の犬種と違うので、これまた厄介です。

    そして昨日来院された患者さんは・・・。

    他院からのご紹介のワンちゃんでしたが、右の股関節脱臼でした。

    術前VD

    術前LATE

    典型的な前上方脱臼です。

    何が厄介かと言うと、そのワンちゃんはかなりの肥満なんです。
    恐らく適正体重は11kgくらいと思われますが、実測16.1kgもあります。
    皮下脂肪のために大転子(大腿骨の付け根外側の突起)も骨頭も触れません。

    股関節の整復の時も、ピンを刺入する時も大転子を触って位置を確認しながら施術しますが、触れないと勘だけが頼りです。
    右後肢を捻って引っ張って、ゴリッと音がしたので確認すると

    整復失敗VD

    整復失敗LATE

    あら? 前方脱臼になっちゃった。

    それからしばらく悪戦苦闘して、またゴリッと音がしたので再確認

    整復成功VD

    整復成功LATE

    やった!整復成功!
    ふぅ~、とほっと一息です。

    しかしここからも大変。
    レントゲンを見て頭の中に思い描く大腿骨の3D映像を元に、グッと押さえて辛うじて触れる大転子を頼りにしてピンを刺します。
    一旦刺してからレントゲンを撮って、もしズレがあったらそれを補正するように再刺入することがありますが、今回はとにかく一発OKの自信がありません。 ̄^ ̄;)

    恐る恐るレントゲンを見ると

    術中LATE

    術中VD

    うひょ~!!ど真ん中に入ってる!すげー!!
    と自分でも感心しながらレントゲンを見ていました。* ̄▽ ̄*)v

    そしてフィニッシュ。

    術後VD

    術後LATE

    手術は無事終了し、昨日の内に退院しました。

    ただこのワンコさん、今日はまだ立てないとの連絡がありました。
    怪我(脱臼)と手術のダブルパンチで痛いこともありますが、普通は術後でも患肢を挙上して三本足で歩くのに・・・・。
    恐らく肥満による歩行困難でしょう。

    肥満は飼い主さんが作り、ワンコと獣医師の双方に不幸をもたらしますね。
    (;´д`)はぁ~

    いんちょ

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