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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    腸閉塞
    2014年05月21日 (水) | 編集 |
    昨夜は長時間手術でヘトヘトになりましたが、今日は手術予定がありませんから少しは身体は休めるかな、と思っていました。

    しかし、昨夜から急にゲーゲー吐き始めたというダックスさんが朝一番でやってきました。
    お腹を触診すると激しく嫌がります。
    何か異物を食べたかもしれないという飼い主さんの談なので、まずはレントゲンを撮ってみましょう。

    ティト

    ティトVD

    あらら、何かコの字形の物がしっかり写っています。(;´д`)
    「これは手術で取り出さないとダメですねぇ」
    「お願いします」
    ということで、今日も手術となりました。

    しかし、このコの字形は何だろう?
    縦から見ても横から見ても四角く見えるけど、多分これは円筒状の何かのキャップじゃないかなぁ。
    「直径17mm×高さ18mm位のキャップみたいな物に心当たりは?」
    と尋ねても
    「いや~、全然思いつかない」
    とのお返事。
    一体これは何?

    麻酔を掛けてお腹を開けて、お腹の中を探って異物が触知できる部分を引っ張り出すと

    腸に詰まっている物
    クリックすると大きくなります
    手術場面が平気な人だけクリックしてね

    円筒形は当たってた。
    しかし、腸の太さと比べて異物が大き過ぎます。
    これでは通過しないですね~。
    しかも閉塞部分の腸の色が悪いです。ヤバイ。

    さぁ~て、何が入ってるのかな?
    腸を切開してみると

    腸につまっていた物 (2)

    何だこれ?

    腸につまっていた物 (1)

    ◎印が付いてる。
    どこかで見たことがあるな~、と悩んでいたら、
    「ああ、突っ張り棒のゴム食べちゃったのね」
    とスタッフの清さんが一目で答えちゃいました。

    なるほど。  ̄。 ̄|||)

    腸の傷んでいる部分を切除して、縫合しました。
    あとは回復を待つのみ。

    さて、この子は腹部触診の時にとてもお腹を痛がりましたから、膵炎の疑いもあります。
    念のため膵炎検査(犬膵特異的リパーゼcPL)も実施しました。

    cPL
    〇の中の2つの青い点、右の方が濃い場合は膵炎の疑い濃厚
    今回は左の方が濃いので正常です

    cPLの院内検査が出来るようになったので、大変迅速な診断が可能になりました。

    ちなみにこのダックスさん、これで2回目の腸閉塞です。
    以前にもブログで書きましたが、今まで3回腸閉塞を起こした子はいません。
    新記録を達成しないことをお祈りします。( ̄人 ̄)

    いんちょ

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