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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    毒をもって毒を制す
    2014年03月12日 (水) | 編集 |
    瀕死の犬救った“百薬の長”

     オーストラリアで薬剤を誤飲した犬が、動物病院に搬送された。腎不全で死に至る恐れもある危険な状態で、獣医師が切り札として投与したのはお酒のウオツカだった。豪メディアが報じた。

     アルコールには、薬剤に含まれていたエチレングリコールの中毒を防ぐ効果があり、犬は鼻へのチューブなどで2日間にわたって“飲酒”。荒療治のかいあって無事回復したが、散歩中にへたり込んでしまうなど二日酔いが残った。(共同)

    「 産経ニュース」 より

    ◇         ◇          ◇

    エチレングリコールは車のラジエーターに入れる不凍液の主成分で、保冷剤にも使われています。
    魚のにおいがして舐めると甘いです。
    なので不用意に不凍液や保冷剤を置いておくと誤飲の危険があります。

    エチレングリコールを摂取して肝臓で代謝されると毒性のある物質に変化します。
    摂取して30分から12時間では吐き気、運動失調(ふらふらする)、嗜眠などを起こし、12~24時間で頻呼吸、チアノーゼ、肺水腫、心不全を起こします。
    その後、シュウ酸カルシウムの結晶ができ腎不全に陥ります。
    非常に高い死亡率です。

    なるべく早く治療をする必要がありますが、診断が難しい!
    「不凍液を飲んだ」
    と言ってくれればいいのですが・・・・

    治療は記事にもあるとおり、アルコールを使います。
    アルコール脱水素酵素による有毒物質への代謝を遅らせるのが目的です。
    今回のワンちゃんは、経鼻カテーテルで強制的にウォッカを飲まされて助かりました。
    迅速な診断と、迅速な治療が功を奏しました。

    でも過去には人のエチレングリコール中毒でウォッカを静脈点滴したという事例があるそうです!

    ◇          ◇          ◇

    豪クイーンズランド州の病院で、大量の有毒物質を摂取したイタリア人旅行者(24)の治療に際し、医者らがウォッカを点滴投与していたことが分かった。

    この旅行者は自殺を図ったとみられ、凍結防止剤に使用される有毒のエチレン・グリコールを摂取。医者らは解毒剤として純粋なアルコールを投与していたが、病院の在庫を使い切ってしまったという。

    病院関係者らは、何とかして治療を継続させるため、医者らがウォッカの点滴を行ったとしている。

    エチレングリコールの解毒剤として、
    患者にウォッカを点滴した病院(2007年10月10日)


    ◇          ◇          ◇

      純アルコールの点滴!
        在庫使い切り!!


    点滴したウォッカってアルコール度数96度の「スピリタス」でしょうか~。
    急性アルコール中毒が心配ですが、エチレングリコール中毒よりマシってことですね。

    hanami.jpg


    しかし、どっちの記事もオーストラリアだなぁ・・・ ̄_ ̄;)

    いんちょ

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    テーマ:医療・健康
    ジャンル:ニュース