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    「くる病」から「カルシウム過剰」へ
    2011年12月08日 (木) | 編集 |
    最近では見ることのなくなった病気に「くる病」があります。
    くる病は、骨基質の石灰化(カルシウム沈着)不全によっておこる病態の総称で、骨変形と成長障害を主徴とする幼少期の骨疾患です。その原因はカルシウムやリンの低下であり、ビタミンDの作用欠乏や、リン排泄の増加によります。
    紫外線(日光)に当たることで体は7-デヒドロコレステロールから肝臓、腎臓でビタミンDを合成します。
    このため、太陽に当たる量の少ない人、脂肪吸収障害、肝障害、腎障害などの基礎疾患のある人に発生しやすいと言われています。

    しかし、私が大学を出て見習い獣医師として働いていた頃はそんな複雑な理由ではなく、ただ単に「カルシウム不足」でした。
    何しろ餌の質が悪かったです。
    当時はまだキャットフード、ドッグフードを与える家の方が少なかった時代です。猫にはご飯にオカカのいわゆる「猫まんま」、犬にはご飯に味噌汁の「犬まんま」が主流でした。
    症状は歩行困難、骨の変形、疼痛、若木骨折などです。
    酷いニャンコでは背骨が逆猫背に折れ曲がってしまった子もいました。

    現在では「猫まんま」「犬まんま」は少数派となり、フードを与える家が主流です。
    良質のフードには必要十分なカルシウム、ビタミンが含まれています。でも過去の苦い経験からフードにカルシウム剤を添加する人がいます。というか、ペットショップがそれを推奨しているんですよね~。
    良質の総合栄養食フードはそれだけを食べて栄養バランスが取れることを保証しています。栄養剤やおやつを与えることはわざわざ栄養バランスを崩しているようなものです。少量なら大丈夫ですが、多量となると・・・。

    カルシウムの過剰摂取で、泌尿器系結石を起こします。また、高カルシウム血症はマグネシウム、鉄、亜鉛等の他のミネラルの吸収を妨げます。

    シュウ酸カルシウム結石
     日本ヒルズ・コルゲート株式会社ホームページより

    過ぎたるは及ばざるがごとし

    飽食の時代ですから、”欠乏症”より”過剰症”の方が問題になりやすいですね。

    いんちょ 

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