あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    陰睾
    2011年09月27日 (火) | 編集 |
    ワンニャンのタマタマ(睾丸)は、通常陰嚢内に2つあります。
    (人も、ですケド・・・)

    ワンニャンの精巣(睾丸)は生まれたばかりの時には腹腔内の真ん中あたりに潜在していますが、生後、精巣導帯という靭帯が精巣を引っ張って、腹腔内⇒鼠径輪⇒鼠径(内股)⇒陰嚢まで導いてくれます。それを精巣下降と言いますが、完了するのは生後約30日です。
    ところが片側または両側の精巣が陰嚢内まで下降しないで、腹腔内または鼠径部に停留することを陰睾(潜在精巣)といいます。

    なぜ精巣が体外にぶら下がっているかというと、体温より低い温度でなければ精子を作れないからです。ということは、陰睾は精子を作れません。両側陰睾ですと生殖能力がありません。

    問題はそれだけではなく、陰睾は腫瘍化しやすいのです。正常な精巣と比較すると腫瘍になる確率は13倍程度というデータもあります。

    陰睾は遺伝しますし、腫瘍化しやすいということで、普通のオスより特に去勢手術をお勧めする訳です。

    さて、陰睾にも2種類ありまして、鼠径にある場合と腹腔内にある場合です。(以前に鼠径輪にハマッテいた猫ちゃんもいましたが・・・^^;)
    鼠径にある場合は比較的手術は簡単です。どの辺りにあるのか大体分かるからです。
    大変なのは腹腔内です。前立腺から精管を辿って見つけますが、お腹の中に手を入れて探らなければなりませんから、かなり大きく切らなければなりません。
    また、太っていて脂肪の多い子は更に大変です。精管が触れません。

         ↓手術中の写真なので、大丈夫な人だけクリックして下さい。
    陰睾 陰睾(ネコ)
       イヌの腹腔内陰睾                ネコの腹腔内陰睾

    イヌの方の大きな丸いのは膀胱です。今回は膀胱のすぐ脇にありました。
    ネコは腎臓の近くにありました。

    実は陰睾の手術は緊張します。『見つからなかったらどうしよう?』と。
    幸い今までに見つからなかったことはありませんが、かなり苦労して1時間ぐらい探したことがあります。
    なかなかスリルでした。^^;)

    「片玉だぁ~」
    なんて笑ってられませんね。

    いんちょ

     ←よかったらポチッとクリックしてください