

2011年09月14日 (水) | 編集 |
ニキビダニは「アカラス」「毛包虫」とも呼ばれます。学名をDemodexというのでそのまま「デモデックス」と言うこともあります。
憎々しいダニの仲間ですが、実は人では寄生率は100%という報告もあって、ほとんど全ての人の皮膚に寄生しています。^^;)

ワンコの皮膚の掻爬検査で検出されたニキビダニ
化粧品会社やマスコミなどがニキビなど皮膚病、肌荒れの原因と喧伝していますが、過剰増殖が起きない限りは実害はほとんどなく、このダニに対する不安をあおることによって無用な恐怖心が引き起こされる害のほうが多いとも言われています。
というか、顔の余分な皮脂や皮質などを食べてくれるため、顔の清潔を保つために必要不可欠な虫とさえ言われています。
皮膚病として発症するのは、ニキビダニが異常に過剰に増殖をしてしまった場合です。
過剰増殖は、動物の体調が悪かったり免疫力が低下したりした時に起こります。これは、
マラセチアの時にお話したのと同じです。
ニキビダニ症はなかなか厄介な皮膚病で、有効な治療法の無かった昔は「安楽死」の対象だったと聞きます。これは皮膚病に罹ったワンちゃんが治らないばかりか、他のワンちゃんに伝染すると考えられていたからです。
治療は一昔前は”アミトラズ”という農作物用の殺ダニ剤(農薬!
)で身体を洗っていました。w(°◇°)w
当院でも何頭かアミトラズで薬浴しましたが、幸いにも重篤な副作用は出ませんでした。
その後、動物に寄生する線虫(回虫、鈎虫など)の駆虫薬のイベルメクチンやドラメクチンがかなり効果があることが分かり、治療に使われています。
1歳未満の幼弱なワンちゃんがニキビダニ症になった場合は比較的楽観視しています。というのも、成長するに従ってワンちゃんの免疫力が高まって、ニキビダニに対抗する抵抗力が付いてくることが期待できるからです。
その反面、高齢になってからニキビダニ症になった子はかなり厄介です。一旦治ったように見えて治療を中止すると、しばらくして再発することが多いのです。老齢のワンちゃんの免疫力が若い頃のように強くなることがないからです。
さて、このうようなニキビダニですが、どういう訳かニャンコではほとんど発症例がありません。
ところが、以前に当院にニキビダニ症のネコちゃんが来たことがあります。

ネコちゃんから検出されたニキビダニ
そのネコちゃんは他の動物病院で治療中でしたが、治らないということで転院してきました。皮膚の掻爬検査をしたら上の写真のニキビダニを見つけました! ネコでは初めて! ヽ(☆o☆)ノわぉ!
実はそのネコちゃん、長期の大量のステロイド治療のために免疫低下を起こしていたばかりか、糖尿病になってしまっていてひどく体調が悪かったのです。
治療の甲斐あって(といっても主はステロイドの中止です・・・^^;)、このネコちゃんは元気になり、糖尿病も治り、皮膚もきれいになりました。
マラセチア症もそうですが、このニキビダニ症に罹るのには何か身体の不調があるはずです。その何かを見つけないと、マラセチア症、ニキビダニ症からの完治は難しくなってしまいます。

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憎々しいダニの仲間ですが、実は人では寄生率は100%という報告もあって、ほとんど全ての人の皮膚に寄生しています。^^;)

ワンコの皮膚の掻爬検査で検出されたニキビダニ
化粧品会社やマスコミなどがニキビなど皮膚病、肌荒れの原因と喧伝していますが、過剰増殖が起きない限りは実害はほとんどなく、このダニに対する不安をあおることによって無用な恐怖心が引き起こされる害のほうが多いとも言われています。
というか、顔の余分な皮脂や皮質などを食べてくれるため、顔の清潔を保つために必要不可欠な虫とさえ言われています。
皮膚病として発症するのは、ニキビダニが異常に過剰に増殖をしてしまった場合です。
過剰増殖は、動物の体調が悪かったり免疫力が低下したりした時に起こります。これは、

ニキビダニ症はなかなか厄介な皮膚病で、有効な治療法の無かった昔は「安楽死」の対象だったと聞きます。これは皮膚病に罹ったワンちゃんが治らないばかりか、他のワンちゃんに伝染すると考えられていたからです。
治療は一昔前は”アミトラズ”という農作物用の殺ダニ剤(農薬!

当院でも何頭かアミトラズで薬浴しましたが、幸いにも重篤な副作用は出ませんでした。
その後、動物に寄生する線虫(回虫、鈎虫など)の駆虫薬のイベルメクチンやドラメクチンがかなり効果があることが分かり、治療に使われています。
1歳未満の幼弱なワンちゃんがニキビダニ症になった場合は比較的楽観視しています。というのも、成長するに従ってワンちゃんの免疫力が高まって、ニキビダニに対抗する抵抗力が付いてくることが期待できるからです。
その反面、高齢になってからニキビダニ症になった子はかなり厄介です。一旦治ったように見えて治療を中止すると、しばらくして再発することが多いのです。老齢のワンちゃんの免疫力が若い頃のように強くなることがないからです。
さて、このうようなニキビダニですが、どういう訳かニャンコではほとんど発症例がありません。
ところが、以前に当院にニキビダニ症のネコちゃんが来たことがあります。

ネコちゃんから検出されたニキビダニ
そのネコちゃんは他の動物病院で治療中でしたが、治らないということで転院してきました。皮膚の掻爬検査をしたら上の写真のニキビダニを見つけました! ネコでは初めて! ヽ(☆o☆)ノわぉ!
実はそのネコちゃん、長期の大量のステロイド治療のために免疫低下を起こしていたばかりか、糖尿病になってしまっていてひどく体調が悪かったのです。
治療の甲斐あって(といっても主はステロイドの中止です・・・^^;)、このネコちゃんは元気になり、糖尿病も治り、皮膚もきれいになりました。
マラセチア症もそうですが、このニキビダニ症に罹るのには何か身体の不調があるはずです。その何かを見つけないと、マラセチア症、ニキビダニ症からの完治は難しくなってしまいます。


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