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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    注射針の進化
    2011年09月01日 (木) | 編集 |
    注射針の進化としては1つはその太さ(細さ?)があります。

    現在一番細いと言われている注射針は、テルモ株式会社が製造した「ナノパス 33」です。

    05_09.jpg

    どれぐらい細いかというと・・・

    05_09_03.jpg
    (左)27G(太さ0.4mm) (中)31G(0.25mm) (右)ナノパス33(0.2mm)
     ちなみに、当院で使っているワクチン用の注射針は25G(0.5mm)です


    ナノパス33は、糖尿病患者さんが自分で注射をするときの苦痛を和らげるために開発されました。いわばインスリン注射専用の針です。
    単純に針を細くすれば打ちやすくなりそうですが、細すぎると薬液を注入するときの抵抗が増すので、かえって打ちにくくなります。また、先端を細くするのは理論的には可能でしたが大量生産する技術がかなり難しかったようです。
    そのジレンマを解消するために多くの技術者達の汗が流れました。本当にご苦労様です。


    さて、細さを追求する進化の一方で、形状の進化も上げられます。

    無痛針開発の偉大なる教師は”蚊”です。蚊に刺された瞬間はほとんどの人が気付きません。ヒントはその形状にありました。

    蚊の口
    「MASAラボ」ブログより

    細さもさることながら、先端にギザギザがあります。これがミソです。

    この蚊の口吻をマネして、兵庫県のライトニックス社は、直径0.12mmの注射針を開発しました。
    その先端は三角錐形になっていて、針の側面には蚊の針を真似た極微細なギザギザがついています。

    IMG_4206-thumb-400x394-684.jpg

    ギザギザの方が痛くないとは不思議な話ですが、痛点に接触する確率を減らし、皮膚の抵抗を小さくすることによって真の無痛注射を実現したと言っています。
    通常の注射針はステンレススチール製ですが、この針は特殊な樹脂を使用していて、体内で溶解するそうです。針に薬を閉じ込めて、内視鏡などを使って直接患部に刺してしまえば、針は体の中で分解されてしまい薬だけが局所に残ります
    薬の量が微量しか使えないのでまだ一般的な注射用途には使えませんが将来が楽しみです。


    最後は、針そのものを使わない方法です。
    針を使わないで注射とは??『スタートレック』で見たことがありますけど・・・。

    その注射器を開発したのは、ソウル大学の余載翊(ヨ・ジェイク)機械航空工学部教授です。
    容器の中間に膜があり、その上には水が、下には注射液が入っています。レーザーを容器の上部にある水に撃つと一瞬にして泡が発生して、はじけます。この時、容器内の圧力が大気圧の1万倍に爆発的に急増し、下のゴム製の膜を押し、その力で注射液がノズルに出てくるという仕組みだそうです。

    20110529093536dc7.jpg

    余教授は「ノズルに出てくる注射液の流れは注射針よりも細く、神経を刺激する確率が低まる。万一、刺激したとしても、注射液の流れの移動速度は毎秒100-200mと非常に速いため、痛みを感じる時間がない」と説明しています。

    同じように針の無い注射器として「マザーズ・キッス」があります。
    「マザーズ・キッス・システム」 FC2 SayMove!

    0.02ナノメーター
    いやいや、0.02ナノメーターは無理でしょ? 原子(0.1~0.3ナノメーター)が通らないよ~。

    いずれも使える薬剤が限定されています。これから多くの薬でこれらの針やシステムが使えるようになるといいですね。

    ところで、血液検査の採血用の針ですが、溶血を防ぐためにある程度の太さの内径がないといけませんから、残念ながらこれ以上細くなることは無さそうです。(+_+)

    いんちょ 

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