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    股関節脱臼(その2)
    2011年06月07日 (火) | 編集 |
    昨日のブログで「股関節脱臼とは、寛骨臼内に納まっているはずの大腿骨頭が、強い外力で外れてしまい・・・」と書きましたが、股関節はかなりしっかりした関節ですから、交通事故や転落、蹴られたなどの衝撃が加わらなければ、そう簡単に外れる物ではありません。

    ところが、最近では少し状況が変わって来ました。
    ベッドに飛び乗った瞬間とか、他のワンちゃんと遊んでいてとか、後ろ足立ちして飼い主さんにピョンピョンしている最中などに外れてしまうのです。
    股関節形成不全などのように元々関節の形状に異常がある場合もありますが、ほとんどは特に問題のない子です。

    考えられるのは、形が正常ならば質に異常があるんじゃないかということです。

       股関節脱臼
             (イラストでみる犬の病気【講談社】 より)

    上の図では解りやすい説明のために骨しか描かれていませんが、股関節周囲には筋肉や腱や靭帯などが沢山あります。それらが股関節をがっちり固めている訳ですが、簡単に外れてしまう子はそのどれか(または全部)が脆弱なんではないか?と思われます。
    原因は遺伝なのか?栄養なのか?生活習慣なのか?

    手術で整復しても、上図の「脱臼のために切れた円靭帯」は切れたままです。しかし、傷を治すために集まってくる結合組織が関節を固めてくれるので案外しっかりと納まってくれます。

    実は、どんな手術をしても再脱臼の可能性はあります。その場合は関節の再構築力が弱いので、整復は難しいと思われます。ですから痛みを取る(=QOLの向上)ために骨頭切除が選択されます。


    当院でも再脱臼の可能性の話はしますが、どちらかというと手術した方と反対側の股関節の脱臼が多いようです。一度外れて整復した方が丈夫になるとはなんとも皮肉な話です。

    いんちょ 

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