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    あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    股関節脱臼(その1)
    2011年06月06日 (月) | 編集 |
    股関節脱臼とは、寛骨臼内に納まっているはずの大腿骨頭が、強い外力で外れてしまい、それを固定していた靭帯や関節嚢が破壊された状態です。

    股関節脱臼の手術は、脱臼整復をした後どうやってその状態を維持するかが問題です。
    8字包帯法デビタピン法3点骨切り術トグルピン法など色々な方法が考えられています。
    どの方法も一長一短があり、簡単だけど外れやすかったり、確実だけど大掛かりな手術が必要だったりします。

    当院で行う股関節脱臼の手術はオリジナル技術です。

    今日股関節脱臼のネコちゃんが来ました。

         股関節2

    左の寛骨臼から大腿骨頭が見事に外れています。まずそれを整復します。

         股関節4

    きれいに戻りました。

    余談ですがこのネコちゃん、左右の大腿骨が少々変です。

         股関節4しるし

    右の大腿骨の真ん中やや上(近位といいます)がやや太くなって曲がっています。また、左の大腿骨の外側近位にスティック状の骨質の突起があります。
    このネコちゃんは数年前に保護された元野良ちゃんですから、おそらく保護される前に両脚とも骨折していたのではないでしょうか。

    さて本題。
    当院の股関節手術は、ここからが腕の見せ所です。^-^*

    皮膚を切ることなく、滅菌した髄内ピンを大腿骨から骨頚を通って骨頭に向かうように皮膚の上から刺入します。
    上手く入っているかレントゲンで確認します。

         股関節7

    いつもは2~3度補正が必要ですが、今回は一発でど真ん中に入りました。
    (^O^)v

         股関節5

    更にピンを押し込んで寛骨臼も貫きます。長すぎるピンを切って曲げておきます。
    この状態で4週間ほど置きます。すると破れてしまった関節嚢が再生して結合織が固めてくれます。

    何がオリジナルかと言うと、皮膚を切らないことです。切開して骨を露出してピンを刺すのはとても簡単ですが、動物のダメージ(外科的侵襲といいます)も大きいです。いかに侵襲を小さくするか・・・?

    レントゲンを見て、皮膚の上から大腿骨~骨頭までの形をイメージして、どこにどの角度で刺せばいいのかを考えます。これはまさに経験がものを言う技です。

    更にこの手術の良いところは、切らないので日帰り手術でできるということです。
    ワンニャンにとって病院は異国です。意味の分からない言葉をしゃべる見たことの無い人達に囲まれて不安な日々を過ごさなければなりません。大変なストレスです。

    私はできる限り自宅療養をさせてあげたいと思っています。
    明らかに集中治療が必要な場合以外は、家族と一緒に家にいられる方がいいですよね。

    いんちょ

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