あい動物病院の周りで起こった出来事や、気になるニュース、趣味のこと、思ったことなどを 気の向くままのんびり書いていきます。
    陰睾の腫瘍化 その2
    2017年05月25日 (木) | 編集 |
    先日、他院からのご紹介でいらしたワンちゃんは、お腹の中にしこりがあるとのことでした。

    触診とレントゲン写真で直径5cmくらいの腫瘤を確認しましたが、よく診ると陰嚢内に睾丸が1つしかありません。
    しかもかなり委縮しています。
    色々な所見より陰睾の腫瘍と思われました。

    そして摘出手術することになりました。

    陰睾腫瘍化 (2)加工
    大丈夫な方だけクリックしてください

    やはりしこりは腫瘍化した陰睾でした。
    かなり腫大していましたが、癒着はありませんでした。

    ただ高齢(15歳)のためか、急激に男性ホルモンが減ったためか術後の回復に時間が掛かりました。
    何とかゴハンを食べるようになり、飼い主さんの面会時に大喜びしますので、入院ストレスを考えて退院・自宅療養となりました。


    以前にも当ブログで書きましたが、陰睾は腫瘍化しやすいです。
    陰睾の腫瘍化
    陰睾
    鼠径部の腫瘍化陰睾は発見しやすいし手術も比較的簡単ですが、腹腔内の場合はかなり大きくならないと発見しにくいです。
    更に高齢になってから腫瘍化することが多く、今回のように術後の経過が思わしくない場合もあります。

    陰睾の子はあまり様子みないで若いうちに腫瘍化する前に手術した方がいいですよ。

    いんちょ

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    外傷?発生異常??
    2017年04月21日 (金) | 編集 |
    昨日去勢手術に来院したネコちゃんは、事前の診察で睾丸が1つしか触知出来ませんでした。
    ただ、無い方の陰嚢内に何やら小さい塊があるようです。
    一応飼い主様には「陰睾」の可能性があることをご承知いただき手術となりました。

    陰睾か??
    モザイク無し(^^;)
    左のタマタマが見当たらない

    左側の陰嚢を切開して、その小さな塊を引っ張り出してみると精管と精巣上体と並んで小さな豆粒状の物が2つありました。

    精巣分裂? 精巣分裂??解説
    ↑大丈夫な方はクリックしてください

    何だこれ?
    精巣上体があるから精巣でしょうけど、こんな分裂した精巣は見たことありませんね~。
    発生異常かな?
    それとも以前に事故や喧嘩で怪我をして片玉潰れちゃったのかな?
     (>_<;)イタソー

    取り敢えず陰睾手術ではなく通常手術で無事終了しました。

    いんちょ

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    猫の巨大結腸症の手術
    2017年04月08日 (土) | 編集 |
    (昨日の続き)

    手術は拡張した結腸を切除する”サブトータル結腸切除術”です。
    巨大結腸症の手術

    伸びきった結腸をXとYで切断し、B-Cを切除し、AとDを縫い合わせます。
    実際にはDの部分はかなり拡張しているのでAとDの径はかなり違っていますからDの縫い縮めが必要になります。

    巨大結腸症の手術2

    一昨日手術したネコちゃんは、かなり重度の拡張がありました。

    摘出結腸(モザイク)
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    摘出した結腸のBとCの幅が2倍くらい違います。
    Dを縫い縮めてAと結合(端々縫合)して閉腹して終了です。
    2~3日は絶食ですから24時間点滴をします。

    憩室状になったDの縫い縮めた部分は生体のリモデリングでほぼ平滑になります。
    結腸が短くなると貯留便量も減り、更に便の水分の吸収が低下して下痢~軟便になって排便可能になります。

    厄介なのは巨大結腸の再発です。
    残った部分が巨大化する可能性は否定できませんが、幸い今まで再発例はありません。

    何年も苦しんだ糞詰まりが解消して、快適快便ライフになりますように。

    いんちょ

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    猫の巨大結腸症
    2017年04月07日 (金) | 編集 |
    他院から転院で来たネコちゃん、重度の便秘症でした。
    排便が上手く出来ず、掛かりつけ獣医さんでは便が詰まると手指による掻き出しをしていました。
    その度にネコちゃんはグッタリするとのことで当院に診察にきてくださいました。
    お腹を触診してみると巨大結腸症になっていました。

    巨大結腸症とは、結腸の持続的な拡張と運動性の低下がみられ、重度の慢性的な便秘を示す状態です。
    巨大結腸症

    原因は、結腸の動き(蠕動運動)の低下と、排泄路の狭窄に分けられます。

     <結腸の動きの低下>
     ・先天性機能不全
     ・内分泌疾患
     ・代謝性疾患
     ・行動異常
     ・長期の拡張
     ・神経の損傷
     ・脊髄奇形
     ・自律神経障害
     ・薬物

    <排泄路の狭窄>
     ・骨盤骨折
     ・結腸、直腸の腫瘍
     ・肛門周囲の疼痛性病変
     ・肛門狭窄
     ・会陰ヘルニア
     ・腸管外腫瘍による圧迫

    原因の如何を問わず、長期間糞便が停滞すると持続的に水分が吸収され、便は大きく硬くなり、結腸が拡張してしまいます。
    長期にわたる結腸の拡張が続くと、結腸の平滑筋や神経に不可逆的な変化が起こり、無力症となり、巨大結腸症となります。
    糞便の径が骨盤内腔径より大きくなると、自力での排便が出来なくなります。

    慢性症例では宿便からの細菌代謝産物の吸収などによる脱水や食欲不振などの全身症状も生じる可能性もあります。

    治療は、原因の除去が基本ですが、治療不可能な原因もあります。
    その場合は浣腸や手指での掻き出しによる宿便の除去、下剤や便軟化剤による再発の防止などの内科的治療を行います。
    それでも頻繁に繰り返す時には外科手術が選択肢に入ってきます。

    冒頭の転院ネコちゃんは、まずグリセリン浣腸による排泄を試みました。
    掛かり付け獣医さんでは浣腸はせずに掻き出しだけだったそうで効果に不安がありましたが、浣腸後はかなり大量に排便しました。
    浣腸後グッタリすることもなく、飼い主さんは喜んでいらっしゃいましたが、しばらくするとまた便が詰まってしまいます。

    予防的にグリセリンを飲ませてもらいましたが、グリセリンを飲むと高頻度で吐いてしまうようで効果がみられず、また便秘で浣腸の繰り返し。
    しかもグリセリンを飲ませようと準備するとネコちゃんはどこかに逃げでしまうという悲しい状況です。

    何度かの浣腸の後、飼い主さんはとうとう手術を決意されました。

                       ・・・・つづく

    いんちょ

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    ご紹介の股関節脱臼
    2017年03月28日 (火) | 編集 |
    今日は避妊手術の予約が入っていたのですがドタキャンになり、手術が無くなりました。

    と思っていたら、知り合いの先生から電話が。
    「股関節脱臼の手術をお願いできますか?」
    「はい、大丈夫です」
    避妊手術ドタキャンで良かったかも~。(#^。^#)

    早速来ていただきました。
    ちょっとポッチャリ系のキャバリアさんです。
    お話を伺うと、昨晩飼い主さんが就寝中に「ギャン!」と叫び声が聞こえて、起きて見てみたら右後肢を挙上してたそうです。
    一体何があったのか??
    朝になって知り合いの先生の所に行って股関節脱臼が発覚したのでした。

    痛みのせいか、ゴハンを食べてないとのことなのでそのままお預かりして手術となりました。

    ope前1

    横向き(ラテラル)で撮ったらしっかり外れてましたが、

    ope前2

    仰向け(VD)にして後肢を引っ張ったら、整復されてました。
    v(^▽^*)ラッキ

    まず、大凡の目安でピンを刺して

    ope1.jpg

    ope1-2.jpg

    それを元に角度の微調整をして刺しなおし、

    ope2.jpg

    ope2-2.jpg

    ちゃんと骨頭のほぼ真ん中を通ることを確認してから寛骨臼を貫くように深く刺し、

    ope3.jpg

    ope3-3.jpg

    ピン先が数mm貫通しているのを確認してから、ピンを曲げて切断して、皮内に埋没して終了。

    ope後

    ope後-2

    今日も無事大成功♪
    夕方にはご帰宅となりました。

    ああ、レントゲンが壊れてなくて良かった~。(´▽`*)


    <余談>
    海外の動物病院で、異物を飲み込んだというワンちゃんが来て、レントゲンを撮ったら

    ワンコインワンコ
    ワンコイン ワンコ

    色々と笑えない。。。。

    いんちょ

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