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    殺そ剤食べちゃった
    2019年02月02日 (土) | 編集 |
    今日お昼休み直前に、ラブラドールさんが「殺そ剤を2袋食べちゃいましたー!!」と来院されました。

    ワルファリン (2)

    中身はこんな

    ワルファリン (1)

    私「食べたばかりですか?」
    飼主「1時間は経ってないと思います」
    私「吐かせましょう」

       (*ー”-)「かつ丼食うか?」じゃなくて・・・・

    催吐剤は当院ではトラネキサム酸の静脈注射をしています。
    その使用量は体重1㎏あたり1ml。
    そしてそのワンちゃんの体重は33㎏。
    え?33ml?そんなに在庫あったかな??

    在庫棚からかき集めて、12アンプル。
    なんと!丁度33ml!? 奇跡か!
    元気なラブさんを取り押さえてゆっくり静脈注射。

    やがて、ウグッ・・・ウグッ・・・・グエ~

    出た出た!無事にチューコロ2袋と想定外のビニールが。
    はぁ~、良かった良かった。


    さて、殺そ剤の成分は「ワルファリン」です。
    ワルファリンは抗凝固剤で、血栓症を起こしやすい人が服用することがあります。
    殺そ剤としての効果も抗凝固作用によるもので、摂取したネズミは腹腔内出血によって死亡します。

    ワルファリンの拮抗薬は「ビタミンK」です。
    運悪く催吐できなかった場合はビタミンKを1週間ほど投与することでワルファリンの作用を押さえます。
    今回はちゃんと吐いてくれたので大丈夫でした。

    ところで、納豆、クロレラ、青汁などにはビタミンKが多く含まれています。
    納豆にはナットウキナーゼという血栓溶解作用・抗凝固作用がある酵素が含まれていて、血栓症を起こしやすい人には良さそうですが、ワルファリンを服用している方が食べてはいけないというのはビタミンKのなせる技です。

    ちなみに、トラネキサム酸は最近は美白で有名になっちゃいましたが、病院では主に「止血剤」として使用されます。
    抗凝固剤を吐かせるのに止血剤を使うとは、なかなか出来た話ですね~。

    いんちょ

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    テーマ:わんことの生活
    ジャンル:ペット
    猫の目
    2019年01月22日 (火) | 編集 |
    美しい猫さんの目

    オッドアイ2

    歳をとるにつれて虹彩に茶色や黒っぽい色が付いてくることがあります。

    猫虹彩色素沈着 (1)

    猫虹彩色素沈着 (2)

    加齢による虹彩色素沈着、いわゆる”シミ”で病気ではありません。

    猫虹彩色素沈着 (4)

    晩年のグレースにもありました。

    しかし急速に広がったり増えたり、また、隆起してきたり萎縮したりする場合は要注意。

    虹彩の腫瘍

    この子の場合、縦長の瞳の2時3時方向が引きつっているように見えます。

    虹彩の腫瘍(矢印)

    こういう場合は”黒色腫”の可能性がありますから更なる検査(眼のエコーなど)が必要になるかもしれません。


    中にはこんな子も

    猫虹彩色素沈着 (5)

    こんなに色素沈着が多いと心配になりますね。
    でも1年くらい前から変わらないとのことですから、引き続き経過観察ですね。


    で、ミケキョとノブは、というと、

    猫虹彩色素沈着 (6)

    猫虹彩色素沈着 (3)

    まだまだ目は若い!

    いんちょ

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    エプリス
    2019年01月18日 (金) | 編集 |
    エプリスとは歯肉に生じた増殖性腫瘤を総称した臨床名で、いくつかに分類されます。

    炎症性(反応性)エプリス
     ・線維性エプリス
     ・巨細胞性エプリス

    腫瘍性エプリス
     ・線維腫性エプリス
     ・骨形成性エプリス

    エプリスと誤りやすい歯原性腫瘍
     ・棘細胞性エナメル上皮腫
     ・アミロイド産生性歯原性腫瘍

    これらのうち犬において最も多くみられるのは線維性エプリスです。
    見た目では判断できませんから診断は病理組織学的検査によります。

    上顎の犬歯から前臼歯にできやすいので上唇をめくると容易に発見できます。

    今日はそのエプリスの摘出手術を行いました。
    それがまたデカいのなんの。

    エプリス (1)

    唇からはみ出てました。
    反対(右)側の上唇をめくってみると

    エプリス (3)

    やっぱり出来てました。

    まず、左上顎のデカい腫瘤を摘出しました。
    すると、

    エプリス (2)

    デカいのに隠れていた小さいエプリスが顔を出しました。
    これも摘出。

    その後右上顎の腫瘤も摘出しました。

    エプリス (4)

    通常、エプリスは茸のように有茎(根元が細い茎状)であることが多く、今回も腫瘤の大きさの割に術創が小さいです。
    摘出した組織を病理検査に送りました。

    エプリスは遠隔転移を起こさない良性なものですが、局所での再発や多発しやすい厄介なものです。
    基本的には外科手術が治療になりますが、場合によっては抗がん剤や放射線治療が必要になることもあります。

    このまますんなりと治ってくれることを祈ります。

    いんちょ

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    久しぶりにニキビダニ
    2019年01月16日 (水) | 編集 |
    他院で皮膚病の治療をしているんだけど治らない、と転院してきた柴犬ちゃんの皮膚を引っ掻いて顕微鏡で見たら、

    IMG_4723.jpg

    出ました、ニキビダニ

    でもこの柴犬ちゃん、前医で抗生剤投薬と共にダニの駆除もしていたとのこと。
    「週に1回注射に連れてきて、と言われました」
    え?注射?
    イベルメクチンやドラメクチンを打ってるのかなぁ?

    当院でも以前はドラメクチンを使用していました。
    あるワンちゃんの皮膚病の原因がニキビダニで、治療の為にドラメクチンを使っていました。
    1クール(週1回×4回注射)の治療で良くなりましたが、3年半後に再発しました。
    再び1クール治療して、その後は再発予防の為に月1回の追加注射をしていました。
    その治療で約3年間発症しなかったのに、やがてドラメクチンではニキビダニを押さえられなくなってきてしまいました。

    そこで新しいノミダニ駆除剤”ブラベクト”の登場です。

    ブラベクト

    当ブログの「ニキビダニの駆除」でも登場しましたが、ノミ・マダニ以外の外部寄生虫にも特効薬的に効きます。
    逆に常在寄生虫であるニキビダニを絶滅させたら何かしら害があるのでは?と心配されているくらいです。
    ドラメクチンが効かなくなったワンちゃんにも飲んでいただきましたが、1回の投薬で皮膚炎はすっかり治りました。

    なので当院では何かしら外部寄生虫が疑われる皮膚炎には、まずブラベクトを飲んでもらっています。

    この情報はマル秘でもなんでもなく獣医師の間では一般的に知られています。
    なのに冒頭のワンちゃんは何故に注射をしていたのかな?と。

    もちろんそのワンちゃんにもブラベクトを飲んでいただきました。
    さてその効果や如何に?

    いんちょ

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    歯の破折
    2018年12月06日 (木) | 編集 |
    昨日歯石取りをしたワンちゃん

    破折 (1)

    破折 (2)
    処置前



    破折 (4)

    破折 (5)
    処置後

    こんなに綺麗になりました。

    ただ、この子は若干問題がありまして・・・

    破折 (6)

    右上の奥歯(第四前臼歯と第一後臼歯)が欠けていました。
    最も硬いエナメル質が欠けて、象牙質が露出しています。
    これを”歯の破折(はせつ)”といいます。
    恐らく何か硬い物を噛んで遊んでいるうちに欠けちゃったんでしょうね。

    エナメル質の表面はツルツルしてますが、象牙質はザラザラです。
    なので象牙質が露出したところは歯垢や歯石がより付きやすくなります。
    今まで以上に歯磨きが大事になってきます。

    いんちょ

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